子供と一緒に海上の森を散策してシデコブシとシロハラを観察しました

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1歳半の次女を連れて、愛知県瀬戸市の海上の森を散策してきました。まだ冬なので森の景色は地味でしたが、冬芽を膨らませたシデコブシや、野鳥のシロハラを観察することができました。

平日休みに子供と2人で海上の森へ

猿投山に登った際の記事に書いたように、子供を連れて自然散策するなら海上(かいしょ)の森は有力候補の1つでした。時間ができたらいつか行こうと思っていたら、思いがけず平日に時間を確保することができました。平日なので小学生の長女は連れていけませんが、未就学の次女と2人で海上森の散策に出かけてきました。

海上の森は愛知県の瀬戸市に分布する森林や里山で、あいち海上の森センター(通称ムーアカデミー)とよばれる施設を中心に周辺の森を散策できるようになっています。

愛知県のウェブサイトに掲載された海上の森の地図[1]をみると、里山や湿地、野鳥観察など、目的に応じて様々なコースが用意されていることがわかります。

海上の森の地図, 愛知県から引用

どのコースも廻ってみたいんですが、今回は1歳児と僕の2人で動かなければいけません。そのため、最も簡単なコースである「遊歩施設」を歩いてみることにしました。

遊歩施設の冬の観察ポイントを教えてもらいました

海上の森の遊歩施設は、過去にこの地で愛知万博が開催された際に「里の自然学校」が開催された場所です。窯の歴史館・繭玉広場・物見の丘という3つの施設を廻ることができる遊歩道が整備されています[2]

遊歩道に入る前に地図を確認しようとムーアカデミーに立ち寄ると職員の方が話しかけてくれて、この時期の自然観察のポイントを教えてくれました。今は2月なので森が最も静かな時期。遊歩施設を歩いてもなかなか目立つ見所はないとのこと。それでも、シデコブシの冬芽が観察できること、また、運が良ければムササビに出会えることを教えてもらいました。

シデコブシとはモクレン科モクレン属の植物で、東海丘陵要素植物群の構成種です。東海地方に特有の貴重な植物で、愛知県では絶滅危惧II類(VU)にも指定されています[3]。花が開花するのは3月半ばなのでまだ冬芽が膨らんでいるだけですが、シデコブシの冬芽をみるのも貴重な経験です。

ムササビは海上の森に生息していて、今の時期でも森の中に設置された巣箱から顔を出すことがあるそうです。遊歩道から見える位置に4つほど巣箱があるので、巣箱の穴からムササビが顔を覗かせていないかチェックするといいと教えてもらえました。

窯の歴史館・繭玉広場・物見の丘を散策

教えていただいた情報をもとに、遊歩施設の遊歩道を歩きます。森の中の遊歩道ですが、適度に整備されているのでスニーカーでも歩けるレベルでした。

窯の歴史館

ムーアカデミー横の森の入り口を通って遊歩道に入ると、最初に見えてくるのが窯の歴史館です。木造の落ち着いたたたずまいの建物ですが、建物内には焼き物の歴史を学ぶことができるパネルや実物資料が展示されています。

海上の森の窯の歴史館

また、驚くことに、この建物内部には窯跡自体が保存されています。広久手30号窯跡という平安時代に使用された古窯跡で、瀬戸焼の窯跡としては最古のものの1つだそうです。

窯の歴史館の内部に保存されている広久手30号窯跡

繭玉広場

遊歩道を歩いて次に辿りついたのは繭玉広場です。ここには、海上の森に生息するガの一種ヤママユが作る繭をモチーフにした建物があります。

繭の形状を真似た繭玉広場の建物

建物内の解説パネルによると、この建物は曲げ加工による木材で壁が形成されているそうです。また、一般的な曲げ加工よりもさらに湾曲していることや部位ごとに曲げの角度が異なることなど、かなり凝ったつくりになっています。

建物の内部には数枚のパネルと休憩スペースとトイレがありますが、あまり使われていない感じでした。暖かくなれば賑わうんでしょうか。

物見の丘

遊歩施設の遊歩道を歩いて最後にたどり着くのは物見の丘です。物見の丘には巨大な木製の展望台が設置されていて、階段を歩いて登ることで最上部から周囲の景色を眺めることができます。

海上の森の物見の丘にある展望台

この展望台は間伐材とガラスによって建築されていますが、釘を使わない伝統建築が採用されていることに驚きました。釘がなくてもこんなに立派な建物が出来上がるなんてにわかには信じられませんね。

シデコブシとムササビの巣箱の観察

遊歩道を歩きながら、施設の方に教えていただいたシデコブシの冬芽を観察しました。窯の歴史館から繭玉広場までの道中に石組みの溜池があり、そのすぐ近くに2本のシデコブシが生えていました。シデコブシ冬芽はまさにコブシのそれで、ふわふわの芽鱗に包まれていました。

写真を撮ろうとしましたが、遊歩道から離れていてうまく撮影できなかったので、代わりにムーアカデミーの中庭にあったシデコブシの写真を貼っておきます。

海上の森ムーンアカデミー内の、冬芽をつけたシデコブシ

シデコブシの観察とともに、ムササビの巣箱も観察しました。遊歩道を歩きながらいくつかの巣箱を見つけました。しかし、残念なことにどの巣箱でもムササビが顔を出すことはありませんでした。やっぱりまだ寒かったかな。

ムササビの巣箱

ムーアカデミーでシロハラと出会う

小一時間かけて遊歩道を歩いたあと、ムーアカデミーで少し休憩をとりました。ムーアカデミー館内には海上の森を学ぶための様々な展示があります。また、ドングリやマツボックリを使って自由に工作を楽しめる場所もあり、子供が喜んでいろんなものを触っていました。

ドングリや木の実など工作用の小物が収納された引き出し

子供と一緒に館内をまわっていると、さきほどの施設の方と再び遭遇。「あそこにシロハラがいるよ」と中庭の柵を指差しました。そこには、モズぐらいの大きさの見たことのない野鳥が。お腹が白いのでシロハラという名前なのだそうです。ふっくらしてて可愛い野鳥でした。

海上の森のシロハラ

3月になったらシデコブシの開花を見に行きます

今回の散策ではシデコブシの冬芽やシロハラを観察できたものの、2月の訪問だったので森の賑わいは感じられませんでした。施設の方によるとシデコブシは3月の20日ごろ(たぶん)に開花するそうなので、その時期になったらもう一度訪問してみようと思います。

また、シデコブシの観察が目的なら、今回散策した遊歩施設ではなくムーアカデミー北側にある湿地に行くとより多くのシデコブシを見ることができるそうです。

これまでは街路樹のコブシの開花で春を感じていましたが、今年はシデコブシの花で春の到来を知ることができるかもしれません。

海上の森で観察した植物

最後に、海上の森の遊歩施設を歩きながら観察した植物の情報を残しておきます。植物に掛かっていた解説プレートとWikipediaが情報源なので、あくまで個人的な記録ノートです。冬なので写真は樹皮だけ。

リョウブ

  • 学名 Clethra barbinervis
  • リョウブ科リョウブ属

令法。初見でサルスベリと間違えたのは、つるつるした樹皮のせい。新芽はご飯に炊き込んで食べると美味しい。

海上の森でみつけたリョウブ

アセビ

  • 学名 Pieris japonica
  • ツツジ科アセビ属

馬酔木。縦に亀裂の入った樹皮が特徴。ブルーベリーの樹皮に似ているのは、同じツツジ科だからなのか。有毒で馬が食べると酔ったようになるから馬酔木という。

ネジキ

  • 学名 Lyonia ovalifolia var. elliptica
  • ツツジ科ネジキ属

捩木。幹の縦縞模様がねじれているからネジキ。これもブルーベリーの樹皮に似ているのは同じツツジ科だからなのか。アセビとネジキ、どっちがどっちかわからなくなる。初夏にちょうちんのような花が並んで咲く。

海上の森でみつけたネジキ

参考

  1. 海上の森の地図, 愛知県.
  2. 遊歩施設(海上の森自然観察インフォメーション), 愛知県.
  3. レッドリストあいち2015, 愛知県.

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